Date: Sun, 02 Dec 2001 11:39:24 +0900
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Subject: テロや報復合戦を止める方法

「テロは本当に許しがたいことですが、それは報復によって止めることはできないのです。自制しなければなりません。」

 もっともな言い分のように聞こえるよね。でも本当に許しがたい人は、そんなことを言う人だ。まるで、自分はこの事態とは無関係だと言わんばかりだ。

 彼らは自分の中に溜め込んでいるストレスが、このテロや報復合戦の原動力になっていることに気付こうともしない。自分が善人のふりをしてさまざまな欲望を押さえ込んでいることが、この悲劇の本当の原因であることなど、考えもしないのだよ。

 彼らは自分が嫌いだ。だからいつも「もっとよい人間にならなければならない」と考える。彼らは自分自身をいじめ、憎んでいる。自分を憎むものは、当然他人を憎むようになる。彼らは本当は他人が憎くてたまらない。傷つけたくてたまらない。けれども、彼らの最大の欲求は「善人になること」だから、他人を傷つけたい欲求は当然無意識の奥に押し込まれる。それがテロリストやアメリカの横暴の力になるんだ。テロリストやアメリカは、彼らの他人を傷つけたい欲求のただの代弁者に過ぎない。だから、本当の原因は、テロリストやアメリカにあるのではなく、この事態と自分とはまるで無関係であるかのようにふるまう、彼ら自身なのだ。どんなに認めたくなくても、もう、そのことに気付かなければいけないよ。

 でも、一旦気付いたら、そこでまた自分を非難してはだめだよ。問題は決して自分を責めることでは解決しないのだから。

 今度はこう考えよう。自分がこの問題の元凶なら、この問題を終わらせることができるのも、自分しかいない、と。つまりすべての人を苦しめている元凶が自分なら、すべての人をその苦しみから救うことができるのも、自分なのだ、と。
 だから、一切の我慢はやめて、自分を許そう、自分が本当にしたいことをさせてやろう、と。

 そう考えることだけが、この悲劇を終わらせることができる唯一の方法だ。

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