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ドアラのキモかわいさからみる変態論

ドアラの写真

最近中日ドラゴンズのマスコット「ドアラ」にはまっている。
息子に言わせると、「キモい!」
大きすぎる頭と細い身体がひどくアンバランスなのだが、それが何とも可愛い。
「キモい」というのは、ドアラに関して言えばほめ言葉で、ドアラの魅力はその「キモかわいさ」にある。

最近は、このようにちょっと気持ち悪いものが受け入れられ、かえって人気を博す傾向にあるようだ。
今まで「よくない」と思われていたものの中に魅力を感じ始めてしまい、それがやめられなくなる。
似たようなことが、私の周りでも起きている。
私の母も最近、長年自分を苦しめてた身体の痛みが、快感に感じられるようになってきたと言う。

気持ち悪いものが好きとか、痛いのが快感だとか言うと、一種の変態趣味のようだが、
それに惹かれる気持ちは、きっとだれの心の中にでもあるものだ。
キモかわいいというのは、ただのかわいいよりもずっと刺激的で飽きない。
だから、「かわいい」よりももっと深い歓びなのだ。
また、痛みを受け入れてそれが快感に感じられれば、身体の自然治癒力が最大限に発揮されて、病の根本的な治癒にもつながる。

要するに心を開きさえすれば、この世のすべてのものが魅力的に感じられる可能性があり、それが人々を幸せにするというわけだ。
つまり、社会の中における自分の敵、あるいは、自分自身の中の醜い部分…
それらすべてを、歓びをもって受け入れることができるということになるのだ。
このような「変態趣味」は言うなれば、善悪の二元論を超越するものであり、世の中のあらゆる敵をなくし、平和をもたらす。
だから、「変態趣味」こそが、世の中を幸せに導くのである。

人は、だれかを本当に愛すれば、その人の前で「醜態」を晒してしまうものだ。
そんなことをしたらかっこわるい、嫌われてしまう、と誰もがそんな自分を押し隠そうと懸命だ。
でも、本当に愛していたら、そんな醜態を自分の前で晒してくれる相手が、たまらなくいとおしく感じられるものなのですよ。

安心してください。
人はだれでも、究極的な変態なのです。

2007/12/2

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