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言語学こうぎ(序)

大学で6年間、「言語学」の広義、いや、抗議でもなく、講義を受け持ちました。具体的な個別の言語ではなく、一般言語学を教えることほど難しいことはありません。言語にとって一体何が「一般」なのか? それを本当に理解するためには世界中の言語について知らなければならず、厳密に言えば、そんなものを講義できる人など、この世に一人も存在するはずがありません。

だから、その授業を引き受けたとき、私が「言語学」として、学生に伝えることができる最良のことは、一体何なのか、真剣に考えざるを得ませんでした。その結果、出た結論が、「言語を知ることによって自分自身を知ること」でした。

本当は、何学であれ、根元ではすべてつながっているはずです。だから、すべてのことを突き詰めれば、行き着くところは「自分自身」であるはずです。私は「言語」を通して、そのことを伝えたいと思いました。

私なりに試行錯誤しつつ、学生たちからも貴重な意見をもらいながら行った6年間でした。これから、そこで話したことを少しずつまとめて、文章にしてみようと思います。

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