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告白の手順

 「告白するには、ちゃんと手順を踏みたいんです。だから相手に失礼にならないように、きちんと準備して、相手が心を開いてくれたら告白するつもりなんです。いきなりやって、ストーカーのように思われたくないし…」

「きちんと準備して、相手が心を開いてくれたらだって? そんなの無理よ。

自分が告白する前に、きちんと準備して相手に心を開いてもらおうなんて思うのは、つまり自分が傷つきたくないからでしょ。そんなのずるいわ。それにどんなに準備したところで、相手の気持ちに確証なんか持てるわけない。だから告白するときの恐怖はいつも変わらないのよ。その恐怖がなくなるまで待っていたら、永遠に告白なんてできない。

人はいつも手順を踏んで、紳士的に、品行方正に告白したがるけれど、告白する瞬間は誰もが絶体絶命なのよ。相手に迷惑をかけちゃいけないとか、嫌われたくないとか、ストーカーだと思われたくないとか、こんなことしちゃいけないと思っても我慢できなくてやってしまうもの。誰でも、取り乱してめちゃくちゃになってしまうものなのよ。

でも、告白される立場の人間にしてみれば、そっちの方がずっと嬉しいに決まっている。もしも紳士的に、冷静に告白されたら、むしろ『この人、本当に自分のことが好きなんだろうか?』と疑ってしまうもの。冷静に『好きだ』と言える人なら、『もう好きじゃなくなった』と言うのも簡単のような気がしてしまう。取り乱したときは『本音』を言ってくれたような気がするけれど、冷静に言われれば、『タダの建前』じゃないかと思ってしまう。

だいたい、あなたの本命に告白するならば、相手にとってもあなたが本命なのだから、相手の側も真剣勝負なはず。一旦あなたに心を開いたのに捨てられたりしたら、それこそ自分が致命的に傷ついてしまう。だから、あなたが本音でぶつかってくれていると感じるまで、決して心を開かないでしょうね。

結論から言えば、何も準備しないで、めちゃくちゃになる覚悟で告白しない限り、決してうまく行かないって事よ。

それは本当に怖いでしょうね。命がけの勇気が必要よ。たぶん世の中にこれ以上に恐ろしいことはないでしょうね。

だからこそ、本当の恋愛には価値があるのよ。それは真の意味で人を大きく成長させる。なぜなら、この告白を成し遂げた者にとって、人生に怖いものなどないのだから。」

2006.3.11

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